実例紹介郷愁の栖(稲敷市)

郷愁の栖(稲敷市)
区分:注文住宅 所在地:茨城県稲敷市
構造規模:木造平屋
家族構成:夫婦 ペット
敷地面積:678.79㎡(204.92坪)建築面積:206.06㎡(62.20坪)
延床面積:180.38㎡(54.45坪)
CONCEPT
本計画は田園風景が一望できる敷地に建築した平屋の住宅です。
敷地には既存の住宅が建っていたこともあり「改築」を検討していましたが、修復箇所や希望の広さと快適さの確保が
困難であった為、全解体し新築へ計画の切り替えを行いました。
クライアントが住まわれていた旧住居では、建築当初近隣に建物がなく快適に過ごされていた。しかし今では多くの
建物が立ち並ぶ住宅地と変化をしていきました。
近くに駅や買い物ができる場所がある訳ではなく、とても好立地とは言えません。
なぜこの場所を選ばれたのか、この場所でなければならなかったのかを計画に落とし込み設計を開始しました。
敷地を見渡すと東側に田園風景、南側には見晴らしの良い山があります。
どちらにも目線を向けると自然を多く感じることはできますが、東側道路の交通量を考慮し一定の距離を置くことで
プライバシーの確保を行いました。
メインフロアはLDKとバイクガレージになります。
LDKの入口は、引き戸が採用できるように基礎ごと建物形状を変えています。キッチンカウンターの曲線との相乗効果で
二人でもすれ違えるスペース(導線)に。
照度を落としたことで落ち着きを生むことはもちろん、昼間の時間帯も障子を通して優しい光が室内を照らします。
バイクガレージは、バイクを置くことだけの用途ではなく「眺めること」を前提に計画をしています。
室内側からは山や植栽、田園風景全てを眺めることのできる特別室となりました。
「昔の名残」を再現することも課題であったインテリア計画は、奥様より「水屋箪笥みたいな家具がほしい」との
ご要望でブラックウォールナットとチェッカーガラスを組み合わせて昭和レトロなカップボードを製作しました。
障子との相性もあり、「新しいけど懐かしい」空間デザインとなりました。
クライアント側がなにを感じて住まいたいかを模索する中で、何度も話し合いを重ねてきました。
借景、木々の揺れる音、自然素材の香り、無垢や和紙の質感、癒されながら好きなコーヒーを楽しむ。
何気ない日常の中で「五感で感じる豊かさ」は変化を造り出します。
年月の経過と共に魅力を増す住まいは、落ち着きを与え住まい手を守っていってくれることを心から願っています。